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このブログでは僕が
おもしろいと思った論文

代表的な化学者

など特に有機化学に関することを書いていくブログです

この人のことも書いて〜、この論文よかったなど要望、感想も受付中です

敬称略で、上から目線なわがままブログ

このブログは専門のライターで無いような個人が運営しているブログであり
稚拙な表現などあるかもしれませんが、
いずれの記事も「ほめている」つもりです
そのような視点で温かい目で見てください

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テーマ : 化学
ジャンル : 学問・文化・芸術

2011年も今日で終わり

あと数時間で今年も終わりです

この一年どうでしたか?

忙しさにかまけて?後半はあまり更新できませんでした

さて、
今年をまとめて雑感を

取り上げなかったニュースとしては「リピトール」の特許切れがあります
リピトールは世界で最も売れている(ファイザーの)低分子薬です
ただし、この薬はファイザー自身が見出した薬ではなく買収した薬です

世界最大規模の研究投資をしているファイザーであっても
振薬の創出が難しいのが現状です

今後の創薬は
東京大学、金井求教授が次のような考え方を示しています

(JSTより引用、http://www.jst.go.jp/report/2011/110803_2.html)

ペニシリンの発見に始まる「低分子の薬によって生命が守られる時代の到来」が第1のパラダイム。
第2のパラダイムは、抗体やタンパク製剤という体の中にあるものを使う治療法。
第3のパラダイムとされるのが、山中伸弥・京都大学教授によって切り開かれたiPS(人工多能性)細胞などによる細胞のメカニズムを利用して治療する方法

第1のパラダイムでは、有機化学者が創薬に大きく貢献した。昨年、鈴木章、根岸英一両氏のノーベル化学賞受賞で広く知られたように、両氏の業績であるクロスカップリング反応は、薬の合成にも応用されている。
しかし、第2、第3のパラダイムでは有機化学者の出番はなかった。
----------------------------------------------引用ここまで

製薬企業を目指す学生の皆さんは多いと思います
身近にあるし、企業の名前もよく知られている
でも
有機化学者の活躍の場はそれだけではないことを覚えておいてほしいと思います
化学は表に出ていないものが多いですが
化学者が求められるフィールドは
広がり続けているのです

東ソー、山口南陽事業所で火災

久しぶりの更新です
(最近、特に忙しい)


さて、11/13、東ソー南陽事業所、塩ビモノマープラントで爆発事故が発生というニュースが飛び込んできました

事故の詳細についてはまだわかっていませんが

概要
事故同日朝に不具合が発生し、プラントを停止
修理をするための後処理中に爆発
翌日、爆発現場付近で一人が遺体で発見
現場写真
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn20111116007401.jpg

爆発していない残りの塩ビモノマープラントも停止中
同事業所は、日本有数の塩ビモノマープラントを有し、
(爆発したプラントも含めて)3つのプラントで、年間約120万トン(うち爆発したプラントが55万トン)の生産能力がある
(国内塩ビモノマーの生産能力約352万トン)
この事故によって事業所内の約8割のプラントが停止

東ソーでは早急の再建を予定している

東ソーHPにある製品フロー図
http://www.tosoh.co.jp/introduction/dt02_03.html
によれば、この事故によって影響が出るものとしては
エチレン(出光興産より購入)関連の製品
および、塩素が関連する塩関連の製品

(塩ビモノマー以外のプラントも含めて多くが停止しているため)
すでに周辺会社にまで影響は出始めているようです
ただし、120万トンのうち国内で消費されている量は50万トンほどで残りは関連企業へ輸出していたようです

東ソーでは事故による死者は初めてとのこと
なおこの事故によって、中間配当を無配、期末配当を未定に変更した

1点物のプラントを動かし続ける難しさを感じます
大事故にならないようにしてとった停止判断で、死者が出てしまうのはやりきれない思いでしょう

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Org. Process Res. Dev.みてますか?

今回の紹介する論文(ハイライト)は
Some Items of Interest to Process R&D Chemists and Engineersです
毎号Org. Process Res. Dev.に掲載されています
内容は
Editerによるindustrial chemists and chemical engineersのための反応論文の紹介です


さて、このOrg. Process Res. Dev.は、タイトル通りProcess Research&Developmentなので
製薬企業の論文など、普通とはひと味違う論文が掲載されます
製薬のプロセスといったあたりを目指す人はチェックするといいかもしれません

年6号です

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ありそうでなかった保護基

Di-tert-butylisobutylsilyl, Another Useful Protecting Group
Org. Lett., 2011, 13,4120

Coreyらの論文

Siは大変深く研究されている保護基です
これらの保護基が持つ反応性や脱保護条件の違いをうまく利用することで数々の複雑な化合物の合成が報告されています

しかし、未だSi保護基は完成されてはいません
例えば最近では、シカゴ大の山本らが「スーパーシリル(Si-Si結合を持った保護基)」を報告しています
参考
http://angew.blog68.fc2.com/blog-entry-161.html
http://angew.blog68.fc2.com/blog-entry-165.html


TMS, TES, TIPS, TBDPSなどのSi保護基を一度も使ったことがない有機化学者は少ないのではないでしょうか


さてこの論文では
Di-tert-butylisobutylsilyl(BiBS)基が報告しています
これの類縁体である
tri-tert-butylsilyl基は1970年代に報告されていますが、保護、脱保護がしにくいことから
あまり使われていません
そこで、彼らはもう少し簡単に使え、かつ安定な保護基としてBiBS基を開発しました

BiBSOTfの合成はイソブチルシリルトリクロリドから2stepで合成できます
1_20110812224613.jpg


実際の保護、脱保護は以下のように行います
2_20110812224629.jpg

水酸基、1級アミンの保護はできますが、2級アミンとは反応しません
このBiBS基はTBSに比べて10500倍、TIPSに比べて1300倍LiOHに対して安定です


保護基は確かに、保護、脱保護をしなければならず環境に優しい化学ではありません
そのため保護基の研究はしにくい(お金を得にくい)研究でしょう
しかし、これなくしてできない物が存在することも事実です
有機化学者が長年の研究の中で蓄積した膨大な知識と経験をうまく利用し(さらに発展させ)ていきたいものです

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