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ハラヴェンの開発研究

有機合成化学協会誌
vol.69 p600

天然物ハリコンドリンBは平田義正と上村大輔によって単離された化合物です
また、その全合成はハーバード大学の岸らが1992年に報告しています(J. Am. Chem. Soc., 1992, 114,3162)
(平田一派によって単離~合成された、日本の天然物化学の大きな仕事です)
この全合成はNHC反応を鍵反応とした収束的合成で、きわめて美しい全合成です

ハリコンドリンは高い生理活性を示していたものの、
薬研究をすることは不可能であると考えられました
理由は2つ
天然から多量に得ることは不可能
合成で供給する場合、合成のステップ数が多すぎる

ここまで見ると、大変なだけではないかということになりますが、
分子が大きくなることは決して悪いことではありません
それは、
基質特異的になるため副作用が抑えられるからです
(また、ジェネティック対策としてはよいかもしれません)


エーザイは岸らとの共同研究により、膨大な数のハリコンドリンの誘導体を
「合成により」
供給し、構造活性相関を行い、エルブリンメシル酸塩(=ハラヴェン)が乳がんの治療薬として有効であることを見出しました

01_20110608022906.jpg

この論文では
エーザイのエルブリンの合成が簡単にまとめられています
極低温の回避、マイクロリアクターの利用といったプロセスの工夫についても述べられています
(日本語なので)大変わかりやすいと思います
製薬に興味のある人だけではなく、有機合成に関わる日本人必読!



なお近年岸らによって
このエリブリンの改良合成法が報告されています、興味をもったらこちらも是非
J. Am. Chem. Soc., 2009, 131,15636


記事の結びとして、この論文の結びを引用したいと思います(これにつきます)
「これは、まさに天然物化学と有機化学の融合がもたらした成果であり、同時に、世界中のがん患者様の新たな希望を作り出したいと願う多くの科学者達の情熱と強力なコミットメントによってはじめて達成できたものである。」
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テーマ : 化学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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